モダニズム建築成立の背景
近世以降のヨーロッパでは、古代ギリシア・ローマ建築に起源を持ち、ルネサンス建築で復興された建築様式が長く主流とされてきた。建築家は過去の歴史的様式を深く理解し、芸術的な作品を造ることが求められてきた。しかし、鉄・コンクリートといった新しい素材が使われるようになり、また社会生活も多様となって建築に対する様々な要求が起こってくると、過去の様式を桎梏として、そこから離脱しようという試みが行われるようになってきた。
建築におけるモダニズムの起源は英国のアーツ・アンド・クラフツ運動とされることが多い。運動の中心者、ウィリアム・モリスは産業革命により大量生産の製品があふれる状況を批判し、生活と芸術の統一を主張した。モリスの邸宅としてフィリップ・ウェッブが建てた「赤い家」(レッドハウス)は煉瓦造で中世風の外観を持つ。一見、中世への回顧的な装いであるが、素材とデザインを統一させた中に美を表現しようとする合理的、革新的な要素を持っていた。
フランスではアール・ヌーヴォーの建築が過去の装飾を否定し、植物からモチーフを取った曲線的、自由なデザインを用いた。 ドイツのユーゲント・シュティール、オーストリアのゼツェッシオン(ウィーン分離派)なども、国や作家の個性により多様ではあるが自由な装飾を用い、同様の傾向を示している。
ウィーン分離派の中心人物オットー・ワーグナーは「芸術は必要にのみ従う」として、機能性、合理性を重視した近代建築の理念を表現した。ワーグナーの影響を受けたアドルフ・ロースはさらに「装飾は罪悪である」と宣言し、装飾そのものを否定した。建築は用途や素材に従って設計するべきであり、装飾を付けるのは原始人の刺青のようなもので、文化の程度が低いことを示すものだと主張した。この宣言は後の世代に大きな影響を与えた。
新技術の導入
技術的には、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の普及、また大量生産のガラスがモダニズム建築の前提となった。鉄骨造の構造物としては、鉄橋、博覧会施設(クリスタルパレス、エッフェル塔)などが先駆となって、後に高層ビルの建設にも適用された(特にアメリカでシカゴ大火の復興に際して高層ビルの建設が相次いだ)。当初、鉄筋コンクリートは石材の代用品とみなされていたが、やがてオーギュスト・ペレなどの実践によってコンクリート特有の造形表現が知られるようになった。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
モダニズム建築は20世紀になって突然出来たものではないようです。
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